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Q401 監理が必要な訳は。
実施設計完了後、竣工引き渡しまでが、一般的な監理業務期間です。工事中の継続的な工事監理のほかに、工事見積り依頼にはじまって、現場における工事の監理がはじまるまでの期間もおろそかにできません。
建築家は監理業務を設計業務のひとつと考え、設計の意図に基づいた建物を完成させ、あなたに引き渡しをしたいのです。依頼主のあなたにとって現場は、どんな家になるのか楽しみが―杯なところでしょうが、建築家にとって現場は、実際の形にする重要な仕事で心を締めて施工者の作業を注意深く見守るところです。あなたとの打ち合わせを含め考え抜かれた設計図ですが、設計の意図をより高めるために、現場では単に工事の手落ちがないかのチェックだけではなく、必要に応じて設計図に手を入れたり施工者により具体的にわかってもらえるようにスケッチを描いたりします。建築は設計図だけですべてを語れるものではありません。建築家にとっての現場監理は、その想いをより深め、それを形作っていく大切な時期でもあるのです。
Q402 現場監理は具体的になにをするの。
工事着工に先立って、施工者から提出された工程表や施工計画ヘの助言、そして仮設工事や基礎工事などの施工図の検討に入ります。地鎮祭が終わると建物の位置確認にはじまって工程表に沿って竣工検査まで、多くの工事の確認・指示を行ない、必要に応じてあなたに報告します。工事が本格的に動き出すと、建築家と施工者との打ち合わせが現場で定期的に行なわれます。施工図の検討・承認、各種検査の確認、仕上げ材料や色彩計画の最後の確認、そして工事費支払い審査など多くの業務があります。
Q403 建築家の監理と施工者の管理の違いは。
監理と管理、発音は同じでも大きな違いがあります。建築家の監理は依頼主の立場に立って依頼主から委託を受けて、その代行者として工事監理を行なうものです。それに対して施工者の管理は、工事施工者の立場で現場の作業を指揮管理すると同時に、施工上の品質管理を指しますが、建築家の監理は施エ者の品質管理 を確認することです。つまり私たちの工事監理業務は、工事が設計図書に示すとおり正確に実施されているかどうかを確認する業務です。
Q404 施工者選定にあたり注意することは。
工事を担当する施工者の選定に当たっては、その施工者の技術的能力、経験、信用度から検討します。せっかく描き上げた設計図も、施工者が誤って読み取ったり、独自の解釈で工事を進めたりすると、ただの紙切れになってしまうので、設計の意図どおり施工できる業者を選択しなければなりません。
次に見積りが施工者から提出されますが、あなたは見積り金額を見ただけで施工者決定のために心を動かしてはいけません。つまり見積り金額が他社より安いだけが施工者を決定するポイントではないということです。建築家は監理者として第三者の冷静な立場で、十分な見積書のチェックを行ない施工者の能力をかみ合わせながら判断しあなたに助言します。請負契約後、工事がはじまりますが請負契約を結んでしまうと、施工者が工事を行ない建築家が監理する、後は竣工を待つだけでは寂しくありませんか。
Q405 見積りの方法はどんなものがあるの。
・特命方式:あなたと建築家が選んだ信頼のできる一業者から見積りを取り検討する方法です。
・見積り合わせ方式:規模や技術レべルがそろっている複数の業者から個々に見積りを取り、これらを比較検討して施工者を決定する方法です。設計内容を十分理解でき、かつその内容の仕事を一番得意とする施工者に見積りを依頼することができます。また施工者にとってもダンピングなど価格競争のない、建築家の査定による適正な価格で質の高い仕事ができることになり、建築主と建築家そして施工者の間には信頼関係が強まります
Q406 見積り査定がわからない。
建築家は施工者が提出した見積り内訳明細書が見積り条件通りか、また工事費見積りの仕様、数量、単価をチェックします。見積りの重複、見積りの区分など間違いがないか、そして材料や工法の仕様が施工者に都合のよい解釈になっていないかを確認します。そして間違っている箇所は訂正してもらい、正しい見積書を提出してもらいます。特に見積り合わせ方式による施工者選びは、その訂正した見積書で判断します。 最後に建築家はあなたに見積り査定の結果をやさしく説明しますので聞いてみましょう。
Q407 施工者の決定のポイントは。
建築は工場生産品ではありません。大勢の職人の手で創り上げます。業者の規模や特徴からくる価格差から見積り金額に差が出ます。見積り金額が一番安いということが業者決定の絶対条件ではありません。
建築家が想いを込めて描き上げた設計図、そしてあなたの長年の夢を実現させる施工者選びは、本当に設計の意図を理解し、情熱をもって施工する業者を選ぶことが大切なことになります。建築家とともによく話し合い施工者を決定しましょう。
Q408 見積り要項書とは。
施工者から正確な工事見積書を提出してもらうために、設計図書の他に見積り要項書を用意し見積り条件を提示します。見積り要項書とは、設計図書に表現されていない事項を書いた書類のことで、具体的には工事範囲、支払方法、工期、見積書の提出日のほか、敷地内既存物の撤去、支給材料、工事用電力、下水、用水の負担範囲そして別途工事などを記載したものです。 特に見積り合わせ方式により見積る場合は見積り条件を同一にしておかなければなりません
Q409 現場説明とは。
現場説明のことを略して"現説"と言います。建築家は見積り参加者(施工者)に、図面および仕様書に示されたことの現場の実際についての説明、ならびに敷地と道路との接し方や、隣家との工事上の影響、その他交通・電力・用水など施工に関連した事項についての現場の実際の状況を、設計図書及び見積り要項書を配布するとき説明します。その他不明箇所は建築家と施工者間で、質疑応答で明らかにします。
Q410 別途工事はどのようなもの。
別途工事とは契約金額に含まれていない工事です。 例えば力−テンや植栽など、また給水本管工事及び水道加入金など多額の費用を必要とする項目が別途工事になっている場合があります。建築家に任せるだけではなく、見積り条件をよく見て別途工事の総予算を立ててください。そのとき解らないことは、建築家に質問してみましょう。