ビジターコテージ
木材についてはできる限り、県産材の使用を努めるという要望があったので、桧材、杉材、松材を中心にしながら、その加工もなるべく一般的に可能な方法でとの選択になった。しかし、実際には大スパンについては、大型断面集成材の使用、輸入材の使用を余儀なくされ、またデッキについては、DDAC法などの防腐加工、特殊な陰影がほしい板材については、そのルーターな金型の制作など、県外などの資材の使用や加工技術に頼る事になった。森産材の振興がより図られる必要があると考えられる。 それには、需要者は元より、設計者、生産者、加工業者、建設業者間の耐えない情報交換を通して、マーケティングに基づく新しい商品開発の道(これを「木の道」ともいう)を探る必要を常々感じている。インフォメーションスペース、レストランスペース共木造建築としては比較的大きな空間が要求される。このデザインは、建築空間そのものが、樹林を予感できるような「光の素材の戯れ」を追及している。インフォメーションスペースは3Mの高さまでは白いクロスの壁とし、展示機能に対応させている。レストスペースは逆に、木の素材がそのまま壁を構成するよう努めている。
建物の主要部分では、上部の光と影の関係に加えて、機能空間の物理的大小によって、天井の高低差に変化をつけ、適度な心理的な緊張感を持たせている。開口部はデッキを媒体に、必要な景観と結接している。